公務員試験講師としてESや面接カードの添削を5年ほどしていますが、
「志望動機の書き方が分からない」
「受験先に住んでないのでどう書いたら良いか」
という相談が多いです。
「公務員になりたいだけなので、そもそも志望動機がない」
という方も正直いらっしゃいましたが、これから紹介する手順で「落ちない志望動機」の作成をサポートした実績があります。(笑)
とってつけたような志望動機では、面接官に見抜かれてしまい、確実に落とされてしまいます。そのため、落とされないための志望動機作りについて、以下の通り解説していきます。

①志望動機の落とし穴
面接試験ではごく一部の例外(第一印象がとても良い等、何らかの理由によりほぼ合格と判断される場合など)を除き志望動機は必ず聞かれます。
志望動機を書く上で気をつける点は、理念的・抽象的ではダメで、誰でもどこでも通用しそうな内容であってはいけないことです。個別具体的に書く必要があります。けれども、この点をどうしても理解できない受験生が少なくないのが現状です。
特に、地方公務員の仕事は多岐にわたるため国家公務員とは異なり、志望動機の中で「働きたい部署」もしくは「どんな仕事がしたいのか」を示さなければ、志望動機が抽象的となります。そのため「働きたい部署」もしくは「どんな仕事がしたいのか」を示しておくことをおススメします。なお、部署は「役所名 組織」で検索すれば、ヒットします。
※受験生の中には面接で志望動機が聞かれなかったので「落ちた」のではないか思われる方がいますが、話す内容がしっかり固まっている方ほど案外志望動機は聞かれませんが(上位で)最終合格しています。

そして、志望動機として、どこまで書くのかは記入棚の大きさにもよりますが、
①民問ではなく、なぜ公務員としてその受験先を志望するのか
②(地方公務員の場合)地元でない場合は、なぜその受験先を志望するのか
③その上で取り組みたい仕事は何か
は最低限明確でなくてはなりません。
①-2 落ちる志望動機の実例
(国税)
国家の根幹を支えるやりがいと税のスペシャリストという専門性の高さと、横々な問題
に目を向けるという点から、自分自身をよりステップアップさせることができる職場である点に魅力を感じ志望しました。
(財務)
財政・金融面から地域に貢献することを通じて、国民生活の安定・向上と我が国経済の
発展に貢献できるスケールの大きな仕事に魅力を感じ志望しました。
(労基)
日本からプラック企業を撲滅し、労働法を事業主に遵守させることにより、働く人にと
って安心・安全な職場環境を実現することに使命感を感じ、志望しました。
(裁判所一般職)
絶対に間違いが許されず、人の人生を左右する裁判という場に関わりながら、正義に基づく公平な姿勢で職務に当たる点に魅力を感じ、志望しました。
(国家公務員)
国家公務員として、スケールの大きな仕事に携われることに魅力を感じ、志望しました。
(ただし、国家一般職人事院面接における面接カードの志望動機記入欄は枠が小さいため、上記に毛の生えた程度の内容しか書けません。)
(地方公務員)
生まれ育った〇〇市・県にて、市民・県民のために働くことで、ふるさとに恩返しをし
たいと考え志望しました。
↑人事担当時に、この内容は本当に良く見ました!
落ちる受験生のESや面接カードの内容は大体これです。
上記がダメなのは受験生の「経験」が含まれていない点です。「生まれ育った」だけでは、「経験」とは言えません。それゆえ、理念的・抽象的であり、「一見誰でもどこでも通用しそうな=どこにも通用しない」内容となってしまいます。そうならないよう、きっかけと経緯から話を組み立て、コンパクトに話をまとめると良くなるでしょう。社会人経験のある方は、ご自身の仕事や仕事を通じて感じたこととからめて書くと、面接官受けが良いです。

①-3 自分の経験が無い人はどうするのか
経験ないから書けない→説明会に行きましょう。「公務員試験を検討して初めてこの志望先を知った。説明会に参加して詳しく知るうちに魅力を感じた」と言う方向性で書くと書きやすいです。
また、やりたい仕事についても、別に記入欄が無い限り、志望勤機の中で言及すれば、面接官もイメージが湧きやすくなります。ただし、職務内容が実際の業務と矛盾していないことが前提です。
①-4 働きたい部署が確定したら
次に働きたい部署が確定すれば、その部署でどのような施策を行っているのか知っているかと聞かれる可能性が高いです。そのため、その部署ですでに実施している、または近々実施する施策(政策)の中から、志望動機にもつながる「興味関心のあるもの」を1つ(以上)探してください。
面接時の話の流れの中では「その部署でどのような施策を行いたいのか」と聞かれる可能並が高いです。自分なりの施策を用意できればベストですが、受験生の段階で斬新なアイデアが思い浮かぶことはまずありえません。そのため、他の自治体等で実施していて当該自治体では実施していないものを提案してください。そのため、面接日までは定期的に新聞・雑誌・インターネット等を通じて情報収集を行いましょう。

①-5縁やゆかりがない地方公務員の場合
なお、縁やゆかりがない(薄い)地方公務員の志望動機に多いのですが、話題の展開上何
の脈略もなく、受験する自治体の特長を延々と書き連ねたり、褒め称えたりする必要もあ
りません。話が薄いと思われて落とされる受験者に区分されてしまうだけですのでやめましょう。
(NG例:○○市は○○県の中心部に位置し、県内最大の面積と第2位の人口を誇り、
○○自動車をはじめとする「日本のものづくり産楽」が集積する一方、農業や林楽など
の第1次産業も盛んであり、○○年にはラグピーのワールドカップが開催されるなど⋯。
②作った志望動機は他人に見てもらおう
自分で作っただけだと、どうしても独りよがり的な理論になってしまったり、意味が伝わらない文章になるケースが多いです。合格可能性を上げるためにも、家族や、第三者に見てもらうことをおススメします。
下記プロフィール欄のURL先の添削サービスでは、プロによる添削だけでなく、その方に合った合格可能性アップのコツもお伝えしていますので是非ご検討ください。

著者 元国家公務員mihir0
【経歴】
某旧帝大教育学部卒業後、地方公務員として市役所にて福祉関係の部署で勤務。その後国家公務員試験に合格し、総務課(局長の秘書業務)、人事担当の部署での勤務経験があります。地方・国家合わせて公務員歴は約10年。
現在は退職し、法律関係の仕事をしながら公務員試験プロ講師として稼働中。
公務員試験小論文・ES等の添削歴は5年以上、累計700件以上の販売実績があり、サービス利用者の方から、毎年多数の合格報告をいただいています。
[プロフィール詳細・顧客評価等はこちら↓]
https://coconala.com/users/653098
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